3つの運動療法

1:リハビリプール

リハビリプールの効能・メリット

水の浮力によって非負重性の運動による筋力強化が可能。
関節への負担が少ないので疼痛を伴う動物や過体重の動物でも陸上運動でできる範囲以上の運動が可能。

リハビリプールの効能・メリット

リハビリプールが効果的なケース

1、術後の機能回復、筋力強化

例:レッグ・カルベ・ペルテス病
小型犬の成長期に起こる股関節の病気で、壊死した大腿骨頭を手術により切除しますが、手術する前に患肢の筋肉量低下が進んでいるケースもあり、手術しても患肢をなかなか使用しない場合があります。水中では体重をかけずに運動ができるため、水泳で積極的に患肢を使用することにより筋肉量の改善が見られます。

2、股関節形成不全

成長期の犬に発症する大腿骨頭の亜脱臼または完全脱臼を特徴とする病気で、大型犬に多く見られます。陸上でのリハビリに水泳を加えることで股関節にかかる負担が少なく筋肉量の増加や可動域の維持が行えます。

獣医師常駐の利点

獣医師としての知識を用い、専門治療としてのリハビリテーションが可能です。

獣医師常駐の利点

水中トレッドミルとの違い

水中トレッドミルは浮力により負重が免荷された状態で歩行能力の回復に取り組むという点で水泳とは異なります。固有受容感覚を刺激し水の抵抗に抗って歩行することで歩行能力の回復につながる動きで足を動かしながら筋力を増強します。

リハビリプール頻度の目安

症例により異なります。お気軽にご相談ください。

リハビリプール利用の流れ

1、体重、脈拍、呼吸数計測

1、体重、脈拍、呼吸数計測

2、準備体操として全身のマッサージ

2、準備体操として全身のマッサージ

3、体の汚れを洗い流す

3、体の汚れを洗い流す

4、プール開始 休憩をはさみながら20-30分

4、プール開始 休憩をはさみながら20〜30分

5、プール終了 コンディショナーをつけ体を流す

5、プール終了 コンディショナーをつけ体を流す

6、飼い主様によるドライ

6、飼い主様によるドライ

2:バランスボール/バランスボード

ピーナッツ型のバランスボール(フィジオ・ロール)や、ドーナッツ型のもの、ディスク型のもの等を用い、前足を乗せて体を支えてあげることで、後ろ足でバランス良く体重を支えるトレーニングができます。バランスボールの上に乗せて、体幹を使って体勢を維持するトレーニングとしても活用できます。バランスのトレーニング、筋力アップ、関節可動域の改善などに役立ちます。

バランスボール/バランスボード

3:マッサージ・ストレッチ

膝蓋骨脱臼を起こしたワンちゃんの中には、異常な関節の動かし方が習慣化してしまっている子がいます。そういうワンちゃんでは関節可動域が狭まっていることがあるため、マッサージやストレッチを行うことで、血液やリンパ液の流れを良くし、老廃物を洗い流すことで患部に酸素や栄養を送りこんだり、軟部組織を伸ばすことで、関節可動域の改善を図ったりします。

マッサージ・ストレッチ