温水のプールに入り、遊びながら全身を使ったリハビリを行います。ワンちゃんの状態によって、ウォータージャケットを着用します。麻痺があるワンちゃんは陸上だと足を引きずってしまいますが、水中であれば足のカで体重を支える必要がないため、足を自由に使いやすくなり、関節や筋肉への負荷を極力下げた状態で刺激することが可能です。
当センターのプールは、飼い主様と同じ目線の高さで愛犬が泳げる構造としています。ワンちゃんは、飼い主様の姿を確認しながら安心して泳ぐことができ、飼い主様も愛犬の姿をよく見ることができます。

ピーナッツ型のバランスボール(フィジオ・ロール)や、ドーナッツ型のもの、ディスク型のもの等を用い、前足を乗せて体を支えてあげることで、後ろ足でバランス良く体重を支えるトレーニングができます。バランスボールの上に乗せて、体幹を使って体勢を維持するトレーニングとしても活用できます。バランスのトレーニング、筋力アップ、関節可動域の改善などに役立ちます。

膝蓋骨脱臼を起こしたワンちゃんの中には、異常な関節の動かし方が習慣化してしまっている子がいます。そういうワンちゃんでは関節可動域が狭まっていることがあるため、マッサージやストレッチを行うことで、血液やリンパ液の流れを良くし、老廃物を洗い流すことで患部に酸素や栄養を送りこんだり、軟部組織を伸ばすことで、関節可動域の改善を図ったりします。

慢性関節炎症例に対してPRP（自己血小板血漿療法）に取り組んでいます。PRPとは、血液の中にある血小板を濃縮したもので、新しい組織や細胞の成長を促す栄養素が豊富に含まれています。その成分を関節内へ注射することで、慢性化してしまった関節炎の疼痛緩和や炎症の減少を目指す治療です。採血のみで採取が可能ですので、身体の負担が少なく治療をすることが可能です。